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文化・芸術

またヅカ行ったよ

二月の終わりに、お父上の看護にお疲れ気味な旧き強敵(とも)を誘って、雪組の「ルパン三世」を見てきますた。
人気公演なのだけどチケットが取れてよかった。宝塚でルパンってことでどんなもんだろうかと見てきたけど、コメディっぽく楽しく笑える作りになっていて、肩が凝らずに見れました。しかしトップさんは、ルックスはとても美形なのだが、歌がちょっと……聞いてて不安になるレベルだった……。曲自体は好きだったのだが。
レビューもあったけど、強敵(とも)いわく、「ちょっと長い」とのこと。まぁ確かに、レビューってかなりデキが良くないと一時間あきずに見るのはむずかしいよね。
もう今年はぜひ見たいという演目もないのだけど、目に華やかな娯楽も悪くはないものです。しかし盛り上がらない元気のなさは、こりゃもうビョーキのせいばかりでもなく、トシのせいもあるんかね。
生きることが薄墨色ににじんでいくような感覚。これがあと何十年つづくのやら。できれば短いに越したことはないなぁ。

宝塚宙組「グスタフIII世」みてきたよ

もう一週間以上前になるけど、宙組の「グスタフIII世」「PHOENIX!」みてきました。
いや、ごひいきのテルさんこと凰稀かなめさんが今公演で宝塚を退団してしまうというし、感動マヒな状態がずーっと続いているし、ともかく家から出かけられないし……ということで、ショック療法的に出かけることにしたわけで。
期日が迫ってるチケットで、A席をB席の値段で譲ってくれるというのがあったので、入手したはいいけど、当日になるまで、行けるかどうか内心はけっこう不安で、会う人ごとに「こんどタカラヅカ見に行くんですよ」とかアピールして、自分を追い込んでみた。
当日は有楽町でいつもと違う改札から出たので、一瞬かるくパニくりそうになったけど、自分をなだめて何とか道をおもいだし、順調に道をたどった。

感想といえばやはり「凰稀かなめの足の長さ!顔の小ささ!」とかいうことになってしまうのかもしれない。この人は、役者としても、もともとの色がないタイプに思える。モデル的というべきか、美しいコスプレ存在というべきか。
娘役とのカプリングで売るタイプではなかったし(不仲説もあったくらい)、男役のセクシーさがウリというわけではない。つーか、この人は女役をさせても「オカマ」にはならない。


そもそも私がはじめて見た銀英伝は「ヅカだけどBLノリ」のような倒錯感がいいぞもっとやれな舞台だったので、なんかタカラヅカの王道とはちょっと違ったノリのトップさんだったのかもしらん。でも眼福な人だったので、生で見られたのはよかったと思う。

舞台感想としては、筋書きや人物描写などあまり心に残るものでもなかったし、そもそも感情がそんなに動かなくなっているので、「それほどでも……」という一言になってしまうかもしらん。
とはいえ、華麗な雰囲気はたのしませてもらえたし、「お疲れ様でした、ありがとう」と言いたい気持ちにはなれた。

それにしても。銀英伝でファンになった蓮水ゆうやや悠未ひろがすでに卒業後で、ヤン役の緒月遠麻も今公演で卒業なので、なんか「おおぅ!」と目をひく人はいなかったのがざんねん。次期トップの朝夏まなとは魅力的ではあるけど、甘い雰囲気が特徴なので、きっと組カラーもかなり変わっていくのであろ。

時間を巻き戻せるならば、大空祐飛がトップで凰稀かなめが二番手の時代の宙組の舞台をいろいろ見たかったなぁ。女の園にしてクールイケメン揃いという倒錯の頂点ではないだろうかと。

雪組「ルパン三世」も見に行きたいのだけど、チケット取れねぇ……。ご予算が二倍か三倍はないと見られそうもない……。指くわえて見のがしであろうなぁ。うう。

ホイッスラー展をみてきたよ

事務手続きのため、朝っぱらから隣の区まで出かけるハメになった。
しかし出かけたら、これ幸いと動くようにしなければいけない。横浜の健康促進政策である「よこはまウォーキングポイント」なるものに、つい先週くらいから参加しはじめ、それで万歩計を身につけているのだが、なんと一日400歩とかすごい数字になっている(平均的な専業主婦で一日2000歩は行くそうだ)。

「動けるときにむりやり動こう」。そう思って手帳持ち仲間のSさんを誘い出し、美術館に行くことに。用事を終えた昼ごろに待ち合わせ、馬車道で和・洋・タイ料理のバイキングランチを食べた。意地汚く必死に食べたので、くるしくなってしまった。そこで腹ごなしに横浜美術館まで歩いたのだけど、ついでに、昨年の秋だかにオープンしたはずの商業施設「MARK IS」を初めて目にした。浦島太郎のような状態。


ホイッスラー展は、チラシなどを見ていると油彩がばんばんありそうだが、実際は版画とか水彩とかの小品が半分をしめていた。ここでも貧乏根性を発揮して一点一点見ていたが、かなり消耗してしまった。見るということも、けっこう精神力を使っているのだな、と改めて思った。

Sさんはさらに状態がよろしくないのでさっさと見終わったようだが、待ち合わせ場所を決めているのに、美術館の中というのに、人のケータイを鳴らしてくるのはやめてほしいものだ(それも二回も)。係員さんが飛んできて注意を受けたが、当然だろうに。・・・あ、ケータイ持ったといっても、人様から不要になったというプリペイドのガラケーをご恵投いただいたものです、なので受信専用で普段は完全に不使用。

感情が平板化しているというか、感動のリアリティがこなくなるという、ビョーキの陰性症状は、やはり回復していない感じ。それほど好みじゃないとか色々あるのかもしらんが、いろいろと絵を見てもなんかピンとこなくて、なんとか感動しようとして凝視しているうちに、アタマがぐるぐるしてくるとか、えらく疲労感がにじみ出てくるというか。

以前には、食べても美味しいと感じないという状態だったわけで。まだ食べ物が美味しいと感じられるようになっただけでも、マシになっているのだろう。

とはいえ、絵を見たりしても、胸に来るものがなくなってしまうというのは、なんというか、命がすごくうすくなってしまうことで。リハビリと回復度合いの確認を兼ねて、週末にはヅカを見に行く予定。すごくダルいんだけど、うごかないと……。


はぁぁぁぁぁん!銀英伝、二回目見ちゃったよ

ヅカ宙組の「銀河英雄伝@TAKARAZUKA」、二度目、見てきちゃいました……。 orz

もともと今年はじめから楽しみにしていた演目だったのだけど、期待を裏切らなかった!!

再演があるのかどーかも疑わしい、宝塚でのすぺーすふぁんたじー。
だいたい、初演の配役がベストと言われますが、やはりこれは見たい!

原作が男ばかりの男祭りなのを、ヅカでやるから男役祭りというか何というか……。倒錯!しかし美麗!
2.5次元な世界で、軍服が乱れ舞う軍服祭り!ビバ軍服!ビバ宝塚!

一度目は10/23の阪急交通社貸切のB席。2階後方から見ると、踊りのフォーメーションはばっちり。

ラインハルトさまー!はマントさばき最高。トップさんらしいオーラはまだないし、歌もいまひとつだけど、長身で美麗だからもう見てるだけで眼福です。うわさの「ナイアガラバッサー」もお披露目公演らしくてよかった。
(ナイアガラバッサー=長身のトップさんが力強くお辞儀すると後ろの羽根のしっぽが前に回ってナイアガラ状態)。
キルヒアイスは赤毛の「のっぽさん」ではないけど、顔立ちの可愛らしさと伸びやかな声を含め、まさにイメージぴったり(赤毛の「ぼうや」と呼ばれてました)。微笑ましく見入ってしまうレベル~。
「絶世の美女」アンネローゼの配役に、写真では?だったですが、やはり舞台は別モノ。美しい声と仕草で淑やかな美女そのものでした。
ヤンも写真では?でも、舞台ではばっちり。舞台なので力の抜けたヤンらしい演技はしにくいだろーに、それっぽい感じに見せてましたよ。歌もうまくて素晴らしい。ジェシカ役の女性もいい感じ。
ロイエンタールのカコよさはまさに2.5次元……、生写真がいち早く品切れになったとか。オールバックが似合うのは、もともとの造作の美しさの証明。踊りもシャープで、まさにロイエンタール。
そしてオーベルシュタインの妖しさ……ヅカだとこうくるかー!な感じが味わえます。腐女子なんかは席で悶絶してたんじゃないでしょうか。んー、まさに倒錯の極み。キルヒとオーベルシュタインの身長が反対だったら原作まんまなんですけどね。長身で見栄えがします。
ヒロイン・ヒルダの出番のなさ(といっても原作よりは増量)は、ヅカでは反則気味なほどすごい。ラブシーンらしいラブシーンはない! でも声質の響き(倍音が入って円い)は、今の娘役トップさんでは一番に好みかも。しかし、娘役演じる美少年ユリアン君のほうに人気がいってしまいそうです。
ヅカを舐めてはいけない。ルビンスキー(ハゲではないが)やオフレッサー、そして陰謀術策に富んだ貴族たちなど、オッサン役まで配役ばっちりです。

宇宙での艦隊戦のイメージは、CGのスクリーン投影とレーザー光線、そしてカコいい群舞で表現。
……どこにも娘役の出番がない!と思いきや、ちゃんと帝国の貴族階級のとこで舞踏会のシーンとかたくさんあります。また今回はNTTとのタイアップもあるせいか、衣装がめっちゃ豪華!!コスチュームプレイはショボイと思わせたら負けですが、今回はマントや軍服の素晴らしさを筆頭に、布質のゴージャスさまで伝わります。

てなことで舞い上がって、もう一度見ようと思ったらほぼ売り切れ……。オクに出てるチケットは高すぎる……。そこでチケット交換サイトに行ってダメもとでお願いしたら、なんと!S席真ん中のセンターど真ん中を定価以下で譲っていただけました……。心からありがとうございました、と言いたい。

そして二回目の観劇。死ぬほど舞台が近い!てか大階段の頂上が見えるよ!しかも二回目だから話もよーくわかって、ああっ、役者さんの細かいシバイまでオペラなしでわかるよ!
真正面で見ると迫力満点。ゴージャスなシーンなんかはどーんと迫ってくる感じがあります。こりゃハマる人の心理もわかるなぁ……と。熱気が強く伝わってきます。

主題歌CD買っちゃった……。でも一番好きな「フレイヤの星」は入ってないし、「サンセットバレー」も。つーかヅカグッズは高い!何でも高い!DVDなんか一万円超えるらしい!ひえええええー!

てか、こんだけ共振してるのは、例の洋モノのウォーゲームがまた新展開してるから。今回うちの同盟が強力な同盟の姉妹同盟になった……実質的に併合されたんですけどね……私は強力な同盟への移籍メンバーに指名されまして。新同盟はキャラが濃い人ばかり。なんかワールドワイド水滸伝の世界です。その片隅で唯一のジャパニーズとして特殊キャラらしく頑張ってます。宇宙の海ならぬ古代ギリシアの海を制覇してやるぞーって感じで。

またもやヅカ観劇「ロミオとジュリエット」

先月に続いてヅカ観劇。
演目は、いったい世界で何回ネタにされているかわからない純愛物語「ロミオとジュリエット」の月組公演。

もともとは、「どうせヅカを見るのならゴージャスなコスプレ物(原義通りのコスチューム・プレイ。歴史物などを指す)を見たい」と思っていたので、今回の公演を見に行こうと思っていた。
が、「一本立てでレビューがつかない」ということで、先月のレビュー付きおしばい(つまりヅカにおける平常運転)である星組公演を見に行った。

今回は新トップさんのお披露目公演だが、主役は準トップさんとの役代わり公演なんだそうだ。
で、私がメルマガで買った貸し切り公演チケットは、準トップさんが主役ロミオをやり、仇役をトップさんがやる日であった。ネットでの評判を見るとそのほうがしっくりくる配役だとかで、がっかりはせずに見に行けた。

席はもちろん、目眩のするような急斜面の2階後方B席。でも今回は通路すぐなので、気兼ねなく楽しめた。

月組はメンバーが若い組なのでフレッシュさを楽しんでほしい、とパンフにあった。
幕が上がると、確かにそんな感じはした。とはいえ、悪い意味での未熟ではなく、「ういういしさ」や「いっしょうけんめいさ」が伝わってくるというべきか。十代のカップルの純愛ものだからOKだろう。

んで幕が上がってしばらくは、双眼鏡で衣装ばかり見てみた。色の美しさやデザインはともかく、布地自体が上等で、あんな織目の詰んだ服は重たいだろな……などと思う。

歌については、声質が軽い(キレイだが倍音成分が含まれない)人が多いせいか、音程がブレるとハッキリ出る分、上滑りで微妙になってしまう時もあったが、致命的ではない。とはいえ、専科(通常の組を卒業し、老け役や歌や踊りやのスペシャリストとして出る人たち)の素晴らしい歌に、若干の見劣り感はある。特に乳母役の人の歌は、歌の善し悪しもよくわからん私が、「おお……」と引き込まれてしまうレベル。
楽曲は全体にとても良かった。もとのフランス語だと、響きがもっと素晴らしいのだろうが。

演技について。
ロミオ役の準トップさんは男役ながら中性的な感じで(フェアリータイプというそうだ)、そこが「美少年を見るような」倒錯的で不可思議な色気になっている。宝塚も主に女性相手の興業なわけで、昨今多い美少年好きな女性を取り込もうと試みているのではなかろうか。男役に求められる「恋のお相手」像も、時代とともに変わっていくのだろう。
このバージョンでのロミオは、ナイーブで思慮深い初心な少年という設定のように見受けた。モンタギューの未来の頭領というより、年上の友人たちを含め周囲に愛されるぼんぼん、という感じか。何はともあれ、恋愛シーンでは、恋を得た少年の初々しい歓びが、素直に全身から放射されていた。

トップさんはライバル役ティボルト。こちらはイタリア男らしい恋の達人で叔母(ジュリエットの母)とも関係があり、だが実は従姉妹ジュリエットを深く愛しているという設定。深紅の衣装もあって、精悍な感じや妖しさが出ていて魅力的だった。欲をいえばよりセクシーな感じを醸し出してほしい。セクシーというのは「人がふらふらとついていく」包容力でもある。するとキャピュレット家一門期待の「若きリーダー」感がより強調されるかと。

ジュリエットの娘さんはちょっと二の腕がごつかったが、声は十四の娘さんにふさわしく澄んでいてキレイ。だが、このテの声は音程がブレるとごまかせないので、より精進してほしい。可愛らしいと思わせる演技は及第点。

他に見ていて良かった人。

ロミオの友人マーキューシオ役の人はハジけていても下品ではなくていい。ただしベンヴォーリオともども、敵方への挑発の裏にあるだろう焦燥感(ロミオはボンボンだし)や自己嫌悪感は、もっと出してほしい。でないと、「本当は戦ったり憎しみあうのがイヤだった……」とか言われても、(゚Д゚ )ハァ? になって、哀しみや絶望が伝わってこない。「悲劇」を描くには枠組みが明確でないと。

キャピュレット卿はちょい悪オヤジ系なカッコ良さが目をひいた。キャピュレット夫人もまた巧い。神父さんも、「女でオッサンのヅラかよw」などと思っても、舞台に上がればそんなことは思わせない。ともかく今回は、芸歴が長い人が締めてくれたおかげで、芸になっているという感じ。

んで……ロミオとジュリエットが亡くなり、なかなか美しいシーンで幕が下り……。
と、いきなりノーテンキな娘さんたちがキャピキャピ出てきて、とーとつにラインダンスがすたーと!!

        ∧∧
       ヽ(・ω・)/   ズコー
      \(.\ ノ
    、ハ,,、  ̄

……いや、ホントにこんな感じだった……個人的に。
「美の巨人たち」のあと、即時で「ドリフの大爆笑」が始まったみたいな。

だが、そこで私は悟った。

そうだ、悲劇だ何だって、ヅカ的にどーでもいいことなんだ。お客さんが、綺麗な舞台と非日常なロマンスを堪能して、「いや~、えかったわ~」 「××ちゃん、カッコよかったわぁ~」などと言い交わしながら、ハッピーな気分で家路に就けること。それが、いちばん大切なことではないか。

重たい悲劇とか暗い不条理とか、そんなもんを改めて胸に抱かせて帰してもしかたがない。オトナにとって現実が十分にそうなんだから。だから、みんな幸せな気持ち欲しさに、安くもないチケットを買って足を運ぶのだ。それを満たすのこそ、シバイ興行の良心ってもんじゃなかろーか。

などと得心しながら、ダッシュで有楽町に向かう。半休とって行ったので、夕方から出勤。
そして息せき切って着いた職場では、普段は定時ジャストで帰るヅカファンの同僚が、「いや~、今日は仕事の手伝いしていこうかなって☆」と、笑顔で私を待っていた……。
あんさん、ゆうひさんが引退したからヅカから足洗うんじゃなかったんか!(笑)

次は宙組の「銀英伝」に行ってしまいそうな気がする(汗)。

ヅカ見てきました(やや長文)

そもそもは。

ウチの課長がネット連載4コマの 「zucca×zuca」 を買ってきて、職場で回覧状態。
そして同僚さま(一回り以上年上だがキュートかつざっくばらん)が、タカラヅカスカイステージを自宅視聴な長年のヅカヲタ(大空祐飛さんが引退したので足を洗う予定宣言)。

私といえば、そんな影響を受け、宝塚に組がいくつあるかとか、今のトップは誰なのかとか、みな、同僚さまからレクチャーを受けて最近知ったばかり。愛称などにいたっては、まったくもってわからない。

そんでもって。
5月の終わりか、家で「zucca×zuca」の3巻を読み終えたちょうどその時。
何かの啓示のように、メルマガ登録だけした旅行社からの貸切公演のお知らせメールが届いた。

「……行ってみるか」

じつは私は中学時代、同級生に頼みこまれて新宿コマに見に行ったことがある(当時のトップさんのお名前は失念)。その時の内容もおぼえてないが、華やかな舞台にみとれた覚えだけはある。
ヅカ属性は乏しいようだが、基本的に舞台モノは好きだ。金欠体質だから行かないだけで(なので、現在の劇場の裏方?シゴトは気には入っている)。

今回は東京宝塚劇場で、星組の公演「ダンサ・セレナータ(お芝居)」と「セレブリティ(レビュー)」。

もともと、8月のロミオとジュリエットを見に行くつもりだったが、それは一本立て公演なので、シャンシャン持って羽根しょった華やかなレビューがない。それではヅカらしくないので、まずは定番で行こう、と7月公演を見てみることに。8月は8月で、見に行く予定。


そして到着したのは、日本の中心地近く、華やかだが浮ついていない日比谷、ハイソな銀座みゆき通り。アウェー感あふれる劇場の立地に、めずらしく迷子になるところだった。
劇場に到着。ヅカの「場」を貶めてはいけない、とジーンズは遠慮したが、リュック持ってるよーな輩は誰もいないことに気づいてorz。

もちろん、席はいちばん安いB席。必殺兵器の双眼鏡があるので問題ないはずだったが・・・。

「うわ!」

高所恐怖症にはツライ急斜面な客席。てか、席に着くと、正面目線が、舞台上枠の1.5倍のとこにあるし。
まぁ、舞台の全容はだいたい見渡せるのだが、大階段のてっぺんに華々しくスターが登場されても、まるで見えない!!

お芝居はなかなか面白かった。何といっても、いくつも挿入されている華やかなダンスシーンは素晴らしいものだったし、植民地の独立運動がバックにあったりするのも、かつてのアルジェリア独立戦争辺りをイメージしてだろうが、古い洋画風のロマンを感じられた。展開からいって暗いハナシになるかと思ったが、最後はメデタシメデタシ。


どうも双眼鏡の視野が狭い・・・と思いつつ見ていたが、ここで気づいた。片方はフタがつきっぱなしだったよ!!


そのあと、おたのしみ抽選会(もちろん当たりはしなかったが、熱烈なヅカオタさんにこそ当たるべきものだろう)ありの休憩をはさんで、レビューに突入。

レビューはキラキラと華やかで、男役は格好良くダイナミックに、娘役は可愛くセクシーに、さまざまな色と光が乱舞する。娘役そろってのロケットダンスも、ピンクの衣装が可愛く、長い脚が美しく、実に眼福な気分だった。

みんな揃って脚あげて~、なんて、男がやると不格好で見苦しいものを、キレイで可愛らしい娘さんたちが「ほ~ら、キレイでしょ☆ うふ♪」とばかりにやってみせるのは、コケティッシュでいいものである。(可愛いというところがミソで、外国ばりに美人だがリッパな女性たちだと、なんかコケティッシュとか挑発を通り越して威圧的にも感じてしまう気がする)。


つーか、レビューだけ一幕で半額で見せてくんないかなー。歌舞伎座の一幕見みたいに。そしたら安くて楽しくて、レジャーの選択肢として、映画に匹敵するんだが。

情操教育の一環として、こういう華やかな舞台を、小学生の姪にも見せてやりたいと思うが、行き帰り含めたら一日がかりの観劇は疲れてしまうだろう。むずかしい男女の機微もわかるまいし、教育的観点から母親に怒られそーだし。

なのでどうか! レビューだけ半額券とかシネコン配信とか、ぜひ考えてほしい。
「戦争は終わっても当分は治安は落ち着くまい、君の店に来る裕福な客たちもいなくなる」(うろおぼえ)という今日のお芝居のセリフじゃないが、「円高が終わっても当分は不景気だろう、S席を買える裕福な客たちもいなくなる」ということにならないよう、心から祈りたい。舞台芸術の未来のためにも。


いっぽう、日頃は舞台の裏方さんたちと接する身としては、大道具だとかセリだとか盆回しだとか照明だとか音響だとか吊りモノだとか、そんなところにもついつい気を取られていた。

舞台はアクシデントがつきもののナマモノ。
ちょっとの気の緩みが、夢と魔法の舞台を、素の稽古場に還してしまう。
「照明さん大変だろうなー」 「衣装さん大変だろうなー」などとか変にひやひやしたり感心したりして見てたが、これは精神衛生上よくない。


たっぷり一時間もある豪勢なレビューを終え、トップ男役さんとトップ娘役さんが一言ご挨拶をしてくれるのだが、双眼鏡ごしに見る額やデコルテは思い切り汗に濡れていて、「挨拶なんていいから休んでくれよ……」とさえ思った。こんなんを毎日毎日くりかえすとは、なんとハードな肉体労働だろうか。


余談だが、ここ一週間ほど、(今さら)まどか☆マギカを見たり「1985年のクラッシュギャルズ」を読んだりしてて(ともにオススメの傑作)、偶然だが見るモノ読むモノが「女性だけの集団」づいている。

同性だけの集団というのは、妬みやひがみやイロイロと感情的に渦巻くものもあろうが、ぴたっとハマったときには、現実の混沌としたヨノナカとは異なる、統一感がありながら個性的で調和的な、「どこにもない理想郷」を幻視させる。それが具現できるのは、演劇的空間だけだ。


レビューで特に印象的だったのは、全員が白一色の衣装で統一し、オケ伴奏なしの生歌だけのシーン。そしてまた、希望にあふれた歌を歌うシーンだったろうか、全員の表情が歓びにあふれ、輝いて見えてたことだ。さらにその中で、トップさんと娘役トップさんの表情は、胸をうつほど輝いていた。

生きる歓びが、人を歌わせ、踊らせる。そして生きる歓びの最たるものは、心から恋をしている時だろう。
すくなくともタカラヅカでは、「スター」の条件とは、瞳に、表情に、全身に、あの歓びの輝きをいっぱいに放射できる人なんだろうなぁ、と思ったことだよ。


観劇後は、「東京までわざわざ出たんだし」という貧乏性ゆえに、国会図書館に寄って、一時間を切った貸出請求時間にわたわたし、時間で追い出され、へとへとと帰った。いちにちが長かった。

トリエンナーレみてきたよ

体育の日の翌日だから空いているかと思ったら、そうでもなく。
旧き強敵(とも)と、トリエンナーレ見てきました。会場は横浜美術館。
他にNYKや黄金町も会場なんだけど、オクで落としたチケットは本会場のみ対象だったし、貪欲に見る気もなかったので……。
んで、さらっと印象だけ書きます。

・入り口のところに並ぶ十二ヶ月の塑像が、かわいかった。

・予算は足りなかったのだろうが、その分、見やすさにフォーカスしてて、とっつきよかったのでは。

・石田徹也のナマ画が(わずかといえ)見られたのは収穫。

・タイガー立石のナマ画もはじめて見た。もっといろいろ見たい。

・望遠鏡で覗く作品や音を奏でる作品なども、お客さん皆がたのしんでいた。よきかな。

・蝶の翅で作った作品は、ちょうど少し前に、乱獲でアマゾンの蝶が絶滅に瀕している旨を読んだばかりだったので、とても傲慢かつ残酷に思えた。

・現代芸術とは関係ない、妖怪コレクションもたのしかった。

いちばん胸に残ったのは、横尾忠則の「Y字路」シリーズだった。
実は、このY字路シリーズの盛り込まれた展覧会、同じ強敵(とも)と見たことがあるのだ。
どこにでもありそうなのに、夢の中のように懐かしく謎めいた、不思議なY字路たち。

で、今回の展示のほとんどすべて、今年の制作だったのだが……。
街灯もネオンもない、漆黒のY字路。そればかり並んでいた。

セザンヌの静物を前景に暗く塗り込めて、怯えるような、踏み迷うような、喪に服したような、暗い町並み。
震災直後の、息が詰まり胸が苦しくなるような、物理的、精神的な、あの夜の暗さが、まざまざとよみがえった。

「現代」芸術というのか知らん、しかしイラストレーターとして時代の寵児だった横尾忠則の、衰えぬ、「いま」を捉える皮膚感覚に、改めて敬意を表したい。

芸術というなら、数百年前に描かれた絵でも千年以上前の彫刻でも、人は感動できる。
けれど、いま、やがて歴史になってしまう、ささやかな今を生きている自分が、同じく今を生きている人間のARTに触れ、一瞬、時間を超えた「歴史の核」とでもいうようなモノに触れる思いをする。
この感動は、「現代」芸術ならではのものではないだろうか。

芸術作品に顕れた「私の陰画」によって、私は「客観視された私」を啓示のように知り、「歴史の中に埋葬されゆく私」を理解する。つまり「私のあてどなさ」にかたちを与えて成仏させられる、また、その対象となる「私」が普遍的であるほど、より偉大なアーティストのようにおもう。

……とかいっても、あまり定見はない。
ただ、いろいろな創作物をみていると、たまに、閃光のように胸にクることがある、その瞬間がたまらなく好きなのだ。

んで、帰りは、二人でみなとみらいのツタヤで立ち読み三昧して、「あ~、読みふけっていたい!」と二人ともに後ろ髪引かれる思いで帰ってきました。
さらに、風邪をひいたのか、夜には熱が出て、翌日はシゴトを休むというオチがついたことだよ。

実はまだ発熱が続いているけど、忘れないうちにおぼえがき。

運慶展みてきたよ

県立金沢文庫で『運慶展』がやっているので、旧き強敵(とも)と見てきた。京急で「金沢文庫」駅があるので、うとい人でも安心。でも駅から10分くらい歩くので迷子になる人もいるかな? さっそく駅前で初老の人に道きかれました。
しかし文庫には直行せず、義兄がやっているおすしやさんでランチをぱくつき、それから腹ごなしに金沢文庫に向かった。

「金沢文庫」とは、鎌倉時代の武家の図書館。金沢北条氏による私設図書館だったそうな。金沢北条氏の菩提寺である称名寺の隣にある。北条氏滅亡後は、足利とか上杉とか家康とか前田家とかが蔵書や資料を持ってっちゃったそうな(ゴルァ!)。その跡地には、神奈川県が資料館を造っている。

「運慶展」といっても、出ている仏像はわずか7点。とはいえ、運慶作と確定できるのはわずかに30点ほどというから、フェルメール並みですな。
展示を見終わるにも30分程度あれば十分……実にすばらしかったので二周しましたが。いや、ちょっと持って帰りたいレベルの魅力でした。
日本のフィギュア萌えの根底は仏像にあったのでしょうか。そんな気がします。つか、国家や体制ではなく、個人の心に感応しそうな、仏イメージは、この時代あたりからロコツになったのではないでしょうか。いま現在見ても、「ひとが生きている」という意味で官能的、かつビビッドです。

いま橋本治の平家物語よんでますが(まだまだ読み終わらないっ!)、もとの平家物語は、高校生でも、原文にちょっと注釈ついただけでも楽しく読めます。そこらへんは文法レベルで挫折する源氏物語とは大違い。
展示してあった鎌倉時代の文書に「キラメクモノ」というカタカナを見いだして、「うわ、鎌倉時代でも“きらめく”ってあったんだー!」と感動しました。
800年前のブツなのに官能的なほどに身に近しかったり、そのまんまの語彙が生きていたり、わりと鎌倉時代って「最近のはじまり」なのかもしれません。

明王像などを見て「運慶は力人(チカラビト)萌えだったのか?」、大日系の穏やかフェイスについては「弟子で好ましいのをモデルにしたのでは」とか、好き放題言ってましたが、それくらいに、『生々しい』んです。
リアリズム一辺倒ではなく、デフォルメもされているんだけど、でも生々しい。

特に気に入ったのは、滝山寺の「帝釈天立像」。→こちらの真ん中
江戸末期か明治に再度彩色されたと後で知りましたが、あざやかな色と美しいフォルム、凛々しい表情もあわせて、かっこよすぎます。絵はがきも欲しかったのですが、滝山寺の、生写真をただ使った(しかも背景もダサすぎ)絵はがきしかなかったので我慢しました。

展覧会のあとは、隣の称名寺で、庭園にちらほら咲く梅をたのしみ、鯉を眺め、横浜に帰りました。しかし帰り着いた横浜の有隣堂で、旧き強敵ともども、一冊の本の表紙に意表を突かれる。
「マンガ日本史 運慶と快慶」
ちょww ラノベの表紙みたいな絵になっちまってww でもマンガ日本史はたのしそうww

近所の人(いや仏像好きならかなり遠方でも……運慶の作品が7体あつまるのって空前絶後らしいから)、および立体造形もの大好き系には、確実にオススメ。近所には特になにもないけど(せいぜい八景島?)、県立金沢文庫の渾身の展示だと思うので、見にいってあげてください。3月6日まで。

ドガ展に行きました

タダ券をいちまい、僥倖で入手したので、旧き強敵(とも)と連れだって、月曜日の横浜美術館 「ドガ展」 に行ってきました。
http://www.degas2010.com/
さむくて曇ってて、なのに結構混雑していました。

新古典主義の薫陶を受けた西洋美術的にお上手なブルジョワの高踏放蕩息子が、ジャポネスクが流入してきて、もともとのセンス&シュミの良さが全開になって画家へと化けたかな、という感じでした。空間や余白の使い方、構図の破格は、浮世絵などの影響だけじゃなくて、広い屋敷に住んでいた上流階級出身者ということもあるのでは、などと思いました(あっちの建物って天井高いからなー、部屋とかもガランと広いし)。身に付いた空間感覚というのは、なかなか拭いがたいものですし。

デッサンなどを見ると、最初は陰影で捉えていたものが、どんどんとロコツに線で捉えるようになっていってました。後半のほうの絵は「マチスかよ」って感じのものも見受けたような。

あと、色を効かせるとこは、パステルに限らず油絵でも、チューブから絞りたてで塗ってる感じに、あざやかです。また、黒の品の良さ ……なぜ黒がフォーマルウェアの色なのか再認識させるくらいの黒…… は、見事です。

私にとっては、無条件に好き!というより、みごとだなぁうまいなぁ、という画家ですが、色遣いといい、動き(フォルム)の捉え方といい、またわかりやすい魅力といい、一見の価値がある展覧会でしょう。年末までやってますからね。

しかし……グッズ売り場は大混雑ですぞ。
いつも展覧会では一筆箋を買って記憶のよすがにするのですが、あんなに並んでまで買いたくはない。

みなさん見にいってください

宮川香山 眞葛ミュージアム
http://www.kozan-makuzu.com/index.html
土日しかやっていないそうですが。私もまだ行ってませんが。

これが……焼き物ッ!! しかも文明開化まもなく!!

江戸の文化、レベル高すぎ~。昔の職人、すごすぎ~。

横浜発祥、世界で大ウケ、そして大空襲で潰えたというかなしい「眞葛焼」。
皆様もでひ見にいこう!私財を投じてコレクションして皆に公開してくれるコレクターの心意気に、ちゃんと応えよう!
つーか、そうやってアートは積極的に守り育てるもんなのだ!

てかね。「無言館」(戦没画学生慰霊美術館)の絵とか、こういうの見聞きすると、ホントーに戦争大反対!!と思う。むしろその一点ゆえに反戦主義、というか(笑)。
すべて美しいものは、攻める勢いで守らなきゃ、失われるものなのだ。keep と leave はおおいにちがうぞ。

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