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ひとつぶで倍おいしい

読んでみようと思う本は積ん読で順番待ち。とはいえ花粉で消耗して好奇心も低下している昨今、読んだことのない作家にはなかなか手が伸びない。
それでも、通勤地獄中のわずかな慰めは読書。ということで、ここんとこ一挙両得的に、古典美術の名画を扱った本を読んで、気持ちの糧にしている。

特に、つい先日に読んだ堀田善衛の「美しきもの見し人は」は、扱っている絵も文章も一級品で滋養いっぱい、まるで点滴のように沁みた。この作者については、おともだちから、堀田善衛のスペイン関係著作を読書中、と聞いたことがあって記憶の隅に残しておいたのだけど、実にいい感じの文章だった。……しかしその話を聞いてから、ゆうに二年は経っているだろうか? なににつけても反応が遅い私(笑)。
また、通勤途中に読む本は、いいところで読書中断して欲求不満にならないよう、短いコラム形式が最高なのだけれど、その点でも実によかった。

優れた絵やそれを生み出した文化についての鋭い視点を、格調たかい文章で堪能するたのしみ……に対して、赤瀬川原平の「ルーヴル美術館の楽しみ方」は、とかく祭り上げられる古典名画を肩肘はらずに見られるように、ユニークな視点からガイドしてくれる、脱力系のほほん文章。「トマソン」や「老人力」で知られる人だけあって、やっぱり、めっぽう面白い。ヨノナカの人が写真に映りこまないように苦心する「名画の表面のヒビ割れ」を、ヒビ割れの形を鑑賞するという方に持っていくあたりとか、実にこの人らしい。
とはいえ、さすが「ハイ・レッド・センター」の赤瀬川(私にとってのこの人はコレ!)なので、たんなる面白オカシイ描写なんかで終わらず、随所にやっぱり、閃くものがある。この人の「千利休―無言の前衛」は、気の抜けたコミカル文章で脱線しまくりつつ、実は鳥肌ものの名著なので、現代芸術や芸術全般に興味がある人は必読と思う。

どちらも図書館で借りたので10年以上前の本ではあるけど、本は「ナマモノだけど保存食」だよね。特に後者はルーブルが全面改装する前に出た本だけど、内容はいまでも美味しい。これからも美味しいと思う。

「本は買わない・借りて読む」主義を実行してずいぶん経つけど、やっぱりたまーには増えてしまう。困ったなぁ。蔵書は、画集から小説から全部合わせて本棚ひとつまでに削ったけれど、まだ削れるだろうか……。

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