読んだ本・借りた本

  • seiuchiの最近読んだ本

買い忘れないように

カレンダー

無料ブログはココログ

« 「番格ロック」見てきたよ | トップページ | Spiritなしで生きてはいけない »

「生きる」を見たよ(DVDな)

土曜日は新月。心機一転なノリで何ぞ見ようと、黒澤明の「生きる」を借りてみてみた。
確かに、単に生きるっつーよりも、「死を前にして生まれる」話ではあった。想像していたような美談な感動作ではなく、死の訪れの前に必死にあがいてあがいて、何か自分なりの生への解答をみつけた男の話だった。
美談にしたり、感動物語にしようとするのは、常に第三者や傍観者……読み手のすることだよなぁ。人間とかく、読むや理解することに淫してしまいがちだが、「読めないものが在る」ことに敬虔でないと、いかんね。

作中、「役所では何もしない以外のことをするのは過激行為なんだ!」という言葉に噴いた。確かにうなずける気もしないでもない。えんえんと描写される小役人たちのアホらしさを見ると、日本の宮仕えの人々すべてに捧げられるべき作品かもなぁ。でも、切羽詰まった濃密な時間から見ちゃえば、無意味な忙しさの中で時間を捨てているのは別に役所勤めに限ったことじゃなくて、私らの日常の八割方はそんなもんだろうと思うよ。

それが良いとか良くないとかでなくて、人間は「一途な時間」を生来的に指向するもんだし、でもそれは非日常の介入でもない限りなかなか生きられぬもんで、だからこそ切なさと空しさに身悶えするもんなんかもしらん(ああ、岡本かの子の「老妓抄」の世界だ)。

「美しい時間」とは何か。「主人公は最後の時間を公のために捧げたから素晴らしい」的なたわけ解説は要らない。主人公は誰かのためにことを為したわけじゃなかろ。誰のためという言い訳の要らない時間は、美しい。つか、いま生きてる時間それ自体が、素で見れば、泣けてくるほど美しく貴いものじゃないのか。つまり(太宰っぽいメフィストフェレスが登場する時点で当然だったんだが)、「ファウスト」の世界だったのだな。

なんかディープすぎる話で、まとまりつかなくなった。とはいえ、ここは備忘録代わりでもあるので、まとまりつかないままでも投稿(笑)。

« 「番格ロック」見てきたよ | トップページ | Spiritなしで生きてはいけない »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「生きる」を見たよ(DVDな):

« 「番格ロック」見てきたよ | トップページ | Spiritなしで生きてはいけない »