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森村泰昌展 「美の教室-静聴せよ」-はにかみと決然

昨日は旧き強敵(とも)と横浜美術館へ。森村泰昌の展覧会 「美の教室-静聴せよ」をやっている。9月17日まで。
本人の公式ページからギャラリーを見てもらえればわかるが、この人は名画の中の人物に扮して「名画」になってみたり、往年の大女優に扮してみたりと、コスプレ的な要素で耳目を惹いている。だが私的には、たいそうマジメなはにかみ屋のように思えてならない人だ。

小学校の机や椅子を並べたりした、教室仕立ての展覧会は、それ自体が夏休みの自由研究って感じだし、また子供らがわらわらと見て回っているのをみても、よくハマっている。大量のお子らの群れは、講義を吹き込んだ無料ガイドともども、鑑賞する分にはウザいが、意図としてはOK,了解するよってな感じ。
ハデで濃密でキレイなんだかキモイんだかな名画コスプレは、やっぱし目立つし面白いし、子供らもウケていたんだが、しかし「東洋の島国のヒトが西洋美術をまねぶことだって、やはり一種のコスプレなんでないの?」という、明治以来の問題意識を巧みにつついてくるのも事実。名画コスプレの中に何気に招き猫や獅子舞が登場するあたりも、土地の血っつーか関西人的なサービス感覚があって、また楽し。

最後の三島コスプレによる上映を見て、展覧会タイトルに「あっ、そうか」と得心したのだが、子供らには元ネタがわからないかもしれない(会場には元ネタ演説の英語版パンフしかなかった)。これから行く人は元ネタにざっと目を通しておくよろし→三島由紀夫演説文
あ、このエントリの文脈だと民族主義的に誤読される可能性があるかもしらんが、森村はそーゆーことを言いたいわけではないと思う。なのであえてパロ演説の内容は引用しない。実際に見てほしい。ちょっと胸をつかれましたよ、ホントに。

画面中の眼下にひろがる昼間の公園で人は我関せずと行き交い、展覧会場で子供らはおかしいと笑う。
でも、アーティストはお追従笑いはせず、かといって肩怒らせて悲憤慷慨はせず。
ネタとマジ、本物とパロ、西洋とニッポン、女と女装男、怒りと笑い、キレイとキモイ、なんだか可笑しくてなんだか切ない、そーゆーはざまでアーティストは自分に誠実に生きてる。
もし自分が人の親だったら我が子に見せるべきか否かビミョーな、つまり良い展覧会でした。

あ、美術館には遠くて行けないという人は、ぜひこちらを。
『「美しい」ってなんだろう?-美術のススメ』 →サンケイの書評
むずかしくなく、かといって迎合もせず、読んでおもしろく、エッセンスがいっぱい詰まってます。どんなレベルであれ “表したい・現したいなー” という人は一読すべきかと。
この「よりみちパン!セ」シリーズ、 “一生懸命なオトナが思春期な人々に伝える等身大に誠実な本” というのは、もう思春期でない人間にとっても非常に有益なものです。全力で品質に留意しつつ、ずっと続刊してほしいもんです。

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