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だって波打ち際 (伊勢佐木町ぶるーす)

「馬車道まつり」のチャリティイベントで、映画「ヨコハマメリー」の上映会にいってきますた。「ヨコハマメリー」とは、一昔前の横浜では知らぬ者とていない白塗りの“立ちんぼ”「メリーさん」のこと。時代とともに、メリーさんだのマリーさんだのキンキラさんだのホワイトオバケだのの様々なニックネームで呼ばれ、「山手のお金持ちだ」「息子は医者だ」「メリーさんはふたりいる」などなど多々の都市伝説に包まれていました。
映画は、あまりにも横浜カラーが強すぎて、どう評価していいのかわからなかったり。一緒にいったふたりのお友達は出身が違うので、「ん~、横浜の人でないと彼女がどういう存在だったのか、よくわからないところがあると思う」と言ってましたし、実際、そう思います。
現実を唾棄してブッ飛んだマイワールドに棲む老街娼、おじさんともおばさんともつかぬオカマシャンソン歌手、若い頃はやんちゃでよ~って感じのカタギ感の薄い地元ジジィ、お東陽先生が描きそうな暴力温泉芸者系な元芸者の婆さん、ちょっと下世話でちょっと人情でちょっと世話焼きなオバちゃんたち、などなどなど。こーゆー濃い人々が労りあったりケンカしたり、愛と妬みと差別と歓びとそねみと侮蔑と涙と笑いにまみれて 「ま、みんないろいろあるわな」 とテケトーな距離で生きてる。さまざまなエスニックマイノリティやハンディキャッパーも含め、まさに世間の荒波に揉まれるうちに波打ち際に寄ってきたもんが一緒くたにイン・ザ・ミソスープしてる感じが、なんとも懐かしい。消えゆくヨコハマの匂いとでもいうべきでせうか。
95年の暮れにメリーさんが伊勢佐木町から消えて、やがて街には「伊勢佐木町ブルース」ではなく、「ゆず」のメロディが流れてくわけですが……。

メリーさんについての個人的な思い出では、(映画でも登場する)アート宝飾のビルに有隣堂の美術書&画材コーナー等が入っていた時代(もう四半世紀ほど前)は、あの界隈に出るたびちょこちょこ寄っていたのですが、そのビルではよく会いました。たしか一度、東口のルミネの有隣堂にまだ美術書コーナーがあった頃にも遭遇しました(横浜駅近辺で会ったのは珍しいので驚いた!)。なので、彼女が美しいものを愛する人だということは、人に聞かずとも知っていました。なので「変人」と見るよりは、それなりに敬意を払う対象ではありますた。
しかし真夜中の福富町でばったり出くわしたときには、「うわっ」と肝を潰しました。暗いビルの影から出てこられると、さすがにビビる。

今日も旧き強敵(とも)と伊勢佐木町を歩いていたら、どうみても初老なのに少女系メイク&服装の異様なおばはん(皺に粉がめりこんでる!)と、その連れの悲しげな老女(母親か?)とすれちがい、思わず友と顔を見合わせました。
しかし、私らも十分にあやしい風体の中年おばはんです。おたがいさまってやつです。
『いつまでもこの界隈が、ヘンな者たちが自由に漂っていられる街でありますように』 と心から思いました。

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コメント

Googleで検索してたどり着きました。

メリーさんがアート宝飾のビルの前のベンチに座っていた話はよく聞きますが、じつは美術書がお目当てだったのでしょうか?
有隣ファボリの店内でメリーさんに遭遇されたことはありますか?

檀葉さま、はじめまして、こんにちは~。
コメントありがとうございます。

「有隣ファボリ」(この名前ひさびさです、檀葉さまも地元民かとお察しします)では、私はもっぱら画材コーナーしか見てなかったので、店内ではメリーさんにお会いしたことはほとんど無かったように思います。遠くローティーンの頃の記憶なので、あやふやですが……。

ただ、宝飾品や美術書や絵画が置いてあるような“きれいなもの・美しいもののある場所”として、あのビルはやっぱりお気に入りだったんじゃないでしょうか。馬車道の落ち着いた雰囲気とか、横浜屈指の美しい建造物・県立博物館などがすぐ見えるところとか。いい場所ですよね。

映画の中で大野慶一さんが「美しい箱を陶然と眺めるメリーさん」について語っていたり、興行主さん談話の又聞きの形で「メリーさんが来た芝居は当たる」という話がありましたが、初耳ながら「さもありなん」と思いました。生き方に美意識を持つ人は、多くの場合、独特の美意識を持っているし、自分が“美しい”と思ったものを愛してやまない人ではないかと。

もし私の個人的な思い出が、メリーさんを偲ぶよすがにでもなればさいわいです。

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