今日は、先々週にでかけた病院に検査結果を聞きに行く日だった。
朝一で出かけて、関内駅の改札を出てから、サイフを忘れたことに気づいてボーゼン。さわやかな朝にサザエさん状態。また家まで戻って往復一時間のロス。病院では異常なしを言い渡されるだけの正味五分間。
しょーもないので、散歩などたのしんで山下公園で昼を食べようと思った。まもなく「チューリップフェスタ」のはずの横浜公園を通って行ってみようかな……と思い、通りかかると、もはやチューリップ満開状態。みごとに咲き誇っているし、枝垂れ桜なんかも咲いてて、春の陽射しのなかで一面花だらけ。内側から光を放つような花の色彩にうっとりと見惚れ、この色はどんな絵の具を混ぜたら出るのやらなどとあれこれかんがえ、眼福なひとときを過ごす。
大さん橋までの道はすごい人出。山下公園では園内のローソンでおにぎりを買って海を眺めつつ食べる。最近、山下公園にはトビがたくさんやってきていて、「ほほー」と見ていると、一羽がさっと急降下して、落ちていた唐揚げか何かをかっさらって空に舞い上がった。と、それにバトルをしかけるもう一羽。争いでぽろりと落ちた唐揚げを別の一羽が空中で見事にキャッチ。曲芸のようだった。
大さん橋には世界一周クルーズにでかける「飛鳥Ⅱ」が停泊。さらに神奈川県警の船が三、四隻、交通安全週間ということで海面をパレード(ってほどハデじゃないけど)。港のある街ならではの楽しみ。
うららかな春の陽射しがここちよい。さらに思いだした。「たしか今日、赤レンガでアフリカンフェスティバルをやっていたような……」。ちょうど先週、ケニアのキクユ族文化をモチーフにしたSF「キリンヤガ」を読んだところなので(図書館でふと目にして試しに読んでみたら面白かったのだ)、アフリカづいてみるのも良いかもしれない、と足をむける。
てくてくと赤レンガ倉庫に歩いていくと、期せずして「春のフラワーフェスティバル」として、広場に大きな花壇がしつらえてあった。ここではパンジーやら忘れな草やらルピナスやらブルーデイジーやら何やらかにやら、春の花がみごとに咲き誇っていた。
またもや眼福したあと、足を踏み入れた赤レンガ1号館では、アフリカンフェスティバル開催中。最初のコーナーこそ地味っぽかったが、進んでいくたび、物販や、フードコートやらと華やかさが増す。なんでコンビニおにぎりなぞ食べてしまったのだろうと、心から悔やんだ。
さらに3階に進むと、ワークショップやライブのコーナーも。楽しそうなワークショップを覗き、次のライブまでは時間があるから帰ってしまおうか……などと思っていたら、ライブスペースでリハーサルがはじまった。面白いパーカッションの響きに、思わず椅子に座り込んで聴いてみる。パーカッションだけの生演奏は初めて聴いたが、あまりに音が多彩で、しかもリズムの呼吸が面白い。やがて逞しいアフリカ女性が出てきて、何やらマイクテストを始める。その声がまたパワフル。そのまま本演奏までずーっと、前から二番目の席で堪能させてもらった。
ちなみに聴いたのは、在日アフリカ人ニャマ・カンテさんのステージ。彼女の歌はクルマのCMなどにも使われたらしい。サイトではすらっとしたお姿だが、実際は逞しく円く、そしてチャーミングでした。なんでも、歌手といっても「グリオ」(一種の語り部)の家系の生まれ、つまり遡れば14世紀アフリカで栄華を誇ったマリ帝国の文化の流れを汲んでいるってわけで。詳しくはご本人サイトのプロフィール参照。
伴奏のパーカッション楽団「ジェリドン」(みな日本人)も素晴らしかった。メロディもリズムも多彩な「流れ」に聞き入るうち、ふと、乾いた大地に雨季のはじまりを告げる大粒の雨音なぞも連想した。また、ひとり参加してた知的障碍の人(特に紹介はなかったがそう思う)のパフォーマンスが生き生きとしてて惚れ惚れするほどに見事だった。芸術の瞬間では、ヨノナカのあらゆる制約やランク付けは意味をもたない。とっても命の洗濯をさせてもらった。
こんなライブが無料で聴けて感謝したので、来年以降のアフリカンフェスティバル開催に向けたチャリティも少ないながらも入れさせてもらった。
赤レンガの建物から外に出て、海側を見ると、「飛鳥Ⅱ」が大さん橋を離れた直後で、見送りの放水が海に向けて弧を描いてた。代わりに大さん橋の反対側に「にっぽん丸」が停泊していた。赤レンガの広場は善男善女でいっぱい。おだやかな春の一日。あとは桜並木の汽車道をあるいて桜木町駅へと向かった。
ちなみに。物販コーナーではシアバターをわずか500円で買えた。でも、小さなプラ容器に詰められ手製のラベルを貼られたこれは、精製などしていないのだろう、とっても青臭くて植物そのものな匂いがする。別に良い匂いでも何でもないが、ナマモノ感があるって物珍しくて新鮮だ。
ナマモノは人を元気にする。とってもナマモノ感に満ちた一日でした。
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